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6月 4日
先週に引き続き、ゲストはお菓子の問屋から直営店まで手がけるお菓子のデパート・株式会社吉寿屋の相談役・神吉武司さん。
社員への取り組みにもいろんな工夫や試みがあるそうです。
「あみだくじで1kgの金の延べ棒をプレゼントしたこともありましたね。
オリンピックを見て頑張った社員にメダルをあげようと思ったんです。
でもメダルの加工賃が高かったから延べ棒にしました(笑)。
当たった社員の話ですが、高価な金の延べ棒が家にあると緊張して3日間ほど寝付けなかったらしいです(笑)」
ちなみにこの金の延べ棒は勤続年数が5年経ったら、あみだくじを引く権利を得られて、250人の社員がくじを引くそうです。
他にも10年勤務した社員が家を建てたら、100万円を金利無しで貸し付け、1万円は会社が負担するユニクロのお買い物ツアー、さらには果物や野菜などがプレゼントされたりと、様々な社員への心遣いが。
「人に尽くす、人が喜ぶということはいいことですよ。
だから私の周りも止めません。
例えばある社員に臨時賞与で500万円を渡すとしますよね。
そうすると社員はお礼に“明日から頑張ります”と言って、頑張りすぎて病気になる。
それではいけません。
私が出す賞与はこれまでの働きに対してのことなんです」
聞けばそのプレゼントや賞与は年々数が増えているそうですが…?
「正直、支出になるんですけどね(笑)。
これも考え方なんです。
儲けてくれたのは社員。
それに対して還元するのは当たり前ですよ。
それができないと会社は続かないです」
社員だけでなく、配送をする人を始め、携わる全ての人にも感謝したいと仰る神吉さん。
フランチャイズができてもうすぐ30年だそうです。
「努力と同じ分は還って来ないですよ。
海では海老で鯛を釣りたいですよね。
でも陸、仕事では鯛で海老を釣る。
鯛を釣るぐらいの努力をして海老を釣る。
その積み重ねをしていくんです。
3年ぐらいで鯛で鯵が釣れて、7年ぐらいで鯛で同じぐらいの鯛が釣れるようになります。
20年続くと鯨が釣れますよ」
まさに継続は力なり。
その継続にかかる努力と関わる人への感謝を惜しまず。
株式会社吉寿屋が努力して釣り上げた大きな鯨は、たくさんの人々を笑顔にしています。
経営というとテクニックのことを言いがちです。
気持ち、努力、感謝は改めて大切ですね。
経営は“気持ち”です。