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5月14日
ゲストは、絶対に緩まないナットを世界に届けるハードロック工業株式会社・代表取締役社長の若林克彦さん。
実は竹原編集長とは20年来のお知り合い。
今週も和やかにスタートしました。
改めてハードロック工業株式会社の特許商品“緩まないナット”ハードロックナットとは?
「神社の鳥居の横柱のところに楔(くさび)が打たれているのをご存知でしょうか?
あの鳥居というものは、古いものだと何百年もあのシンプルな構造で姿を保ちます。
その仕組みをボルトとナットに組み込んだということなんです」
聞けば鳥居をイメージして理解できます。
しかし、簡単にできるものではなさそうですが…。
「実験に次ぐ実験でしたね。
この楔作用をどうやって商品に落とし込むかということを考えて、1年かかりました」
もともと設計をご自分でされている若林社長。
緩まないナットの開発以前にもナットを手がけていたそうです。
「見本市で緩み止めナットを見たんです。
これを独自に自身で発展させることができないかと思いましてね。
28歳の時に脱サラしました。
当時は独身で実家暮らしでしたが、家族から独立はかなり反対されました。
そのまま勤めていても良かったわけですから。
苦労の始まりでしたね(笑)」
サンプルを作っては周囲の業者に突き返される日々…。
規格違反だと言われたこともあったそうです。
「そこで思ったんです。
問屋はやめてユーザーに見てもらおうと。
本物を見てくれたらきっと分かってくださると信じていました」
その甲斐あって、現在では新幹線や東京スカイツリーにも使われている緩まないナット。
「新幹線は16両編成でおよそ2万個ものナットが使われています。
100万キロ走ると車検をして、入れ替えて安全をより高める。
スペースシャトルにも使われていまして、宇宙へ向かう強力なエネルギーにも耐えうる商品なんです」
その功績は今や教科書にも掲載されるほど。
苦労が実った現在です。
ちなみにナットの種類はいくつあるのでしょうか?
「材質も違いますし、大きさも様々。
全部合わせると、およそ3000種類ぐらいあります」
なんと驚きの数!
「この仕事が立ち上がった時がどん底なんです。
そこから始まっているから自分自身がやりたいんですよね。
あと仕事が趣味なんです(笑)。
好きだから仕方ない。
朝8時に来て、帰るのも最後ですから」
趣味が仕事。
好きだからこそ突き詰められる。
苦労を笑顔に帰る大きな力なのかもしれませんね。
伝統的な技法をアレンジして今に生かす柔軟さ。
改めて日本の技術と社長のバランス感覚の素晴らしさに脱帽です。