2017年

5月 7日

モットーは守破離 自ら進む力

ゲストはレーザー・ウォータージェット加工機、CADシステム販売の株式会社レザックの取締役会長・柳本忠二さん。
先週に引き続きのご登場です。
この会社のもつ“ものを切る”“型を抜く”という技術は、今や日本の産業に欠かせないものとなっています。

その技術とアイデアを生み出した柳本会長の仕事のルーツはどこにあるのでしょう。
「和歌山から大阪へ出てきましてね。
当時はまだ身長も低かったそんな時です(笑)
八百屋さんの住み込みで2年間働きました。
朝6時から八百屋、そこから果物屋に変わって夜中2時まで。
店の大将が厳しい人でね。
怒られる前に全神経を張り詰めて、次に率先して何をするかを考えながら仕事をしていました。
人生のもとになっていることかもしれませんね」

18歳の時に仏壇を作っている会社に就職。
「そこにも厳しい職人さんがいましてね。
型を作る技術を学ばせてもらいました。
ど素人だったんですけど、半年で技術を習得しましたね」
そして19歳の時に、現在の元になる抜き型を製造する菱屋を創業。
「会社をしながら守っていた鉄則があるんです。
“手形を切ってはいけない”
“在庫を持たない”
そして“下請けを持たない”
この3つを守ると会社はつぶれないんですよね」

鉄の掟を胸に昭和54年には法人化。
会社にはもう一つ大きな転機があったとか。
「平成17年の8月でした。
天皇皇后両陛下のご視察を賜りました。
両陛下がお越しになると半径3mで空気が変わるんです。
いやぁ、そりゃもう緊張しましたね。
でも両陛下は話しやすい雰囲気を作ってくださる。
今でも思い出しては身を律しております。
この出来事は会社としてとても励みになったんですよね。
おかげさまでうちの会社への信頼度もグッと上がりました」

修行時代から創業へ。
そして現在。
会長はどういった思いでここまで来られたのでしょう。
「日本文化の思想の一つの“守破離”。
これが好きでして。
まず自分でやってみて、そこからより良くして、最後は独自で進化させる。
仕事はこれなんですよね。
息子たちも元々は会社に入れるつもりはなかったのですが、今ではレザックを長男、菱屋は次男が引き継いでくれています」
守破離の精神はここでも生きています。
さらに会長は社会貢献も。
「介助犬の訓練所を作りました。
求めている方々がたくさんおられるのに、介助犬は日本に1000頭いないんです。
先日、訓練士の第1号を送り出しました。
先進国なのに実態は後進国。
これからこの活動も推し進めていきますよ」

自ら進んで動いて自分のものにしていく。
そして進化と深化。
守破離の精神は世代を超えて受け継がれています。

竹原編集長のひとこと

自分のためにからスタートして、そこから社会のために。
こんな企業が増えると日本がもっと元気になりますよね