2016年

10月16日

求められるから今がある 錫器で生き抜く職人の想い

ゲストは江戸時代から続く技術と信念を今に伝える大阪錫器株式会社の代表取締役・今井達昌さんです。
改めて、この錫器とは…?
「錫という金属がありまして。
日本で古くでいうと遣隋使遣唐使の時代からあるものなんですね。
当時はお茶を入れていた茶壺に使われていました。
うちはそれを加工して和洋酒器などを作っています」
錫製品はその後、公家社会に伝わり、江戸時代あたりから一般にも広がってきたのだそうです。

錫という金属ですが、実はとても身近なものなんだとか。
「今この瞬間、錫がなくなると色々と困ることが多いですね。
ゲーム機、ケータイ電話など家電製品が動かなくなります。
コードなどを接続する半田は錫なんです」
他にもメッキや缶詰に錫のコーティングがなされているとか。
人体に無害でとても身近な錫なのです。

そんな錫を作って工芸品を生み出す大阪錫器の今井達昌さんは、代表取締役とともに工芸士でもあります。
2012年には「現代の名工」にも選出されました。
その名工が新しい錫器を生み出しています。
「日本伝統工芸士という団体がありまして常任幹事をしています。
横並びに色んなジャンルの工芸士がおられたんですよね。
津軽、会津、輪島、越前、紀州。
それぞれ、漆の産地のトップの工芸士さんと会う機会があるんです。
そこからのコラボ作品があります。
錫器に漆を蒔いている独自のものです。
“一緒に何かしようか”と飲み会の場から生まれたんですよ(笑)」

自分たちの技術をどう組み合わせるかというところからスタートしたこの『錫漆』。
息を呑むような美しさです。
「職人は“これできますか?”と言われて、できないというのが嫌なんです(笑)
伝統工芸は止まったら終わり。
止まったらその時代に需要がないということです。
技術はそのままにその時代にあったものを生み出していく。
これが僕らの役目だと思っています」

時代が求めるものを生み出す。
この心意気を推進力に錫器の進化は止まりません。

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シルキータンブラー スタンダードを抽選でお二人に。

宛先は
メール akarui@mbs1179.com
FAX 06−6809−9090
ハガキ 〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「大阪錫器 タンブラー」係
当選者の発表は発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

実は歴史が深い錫、そして錫器。
伝統とは生き続き、動き続けること。
今井社長の話でよくわかりますね。