2016年

9月18日

アルバムから輪島塗ボールペンまで。 文具の発想を超える文具のスペシャリスト。

機能性とトレンドを兼ね備えた、オフィス、文具用品を製造販売するセキセイ株式会社から代表取締役会長の西川雅夫さん。
リスナーの皆さんがお使いになっている文具用品の中に、セキセイ株式会社の製品があるかもしれません。
改めてどんなお仕事なのでしょうか?
「来年85周年を迎えます。
事務用品、文具の製造販売をしてるんですけど、全国の問屋さん小売店を通じて販売させてもらっています。
もともと先代が役所、官庁関係の仕事をしてまして。
学校の出席簿ってありますよね、黒い表紙の。
あれは戦前から使っていただいている、うちの製品なんです」

現在の西川さんの代になってから、役所関係の仕事の他にも店頭でも展開できるように、アルバムなどの販売を開始。
新たなジャンルへと進むことになったのだそうです。
「昔のアルバムは透明のフィルムがあって、それをペリペリっとはがして、そこに写真を入れて、再びフィルムで蓋をする。
空気が入ったりして、なかなか上手にできないんですよね(笑)
ちょうど自社でポケット式の名刺ホルダーを作ってまして、それから着想を得て、写真もポケットタイプのアルバムを作ったんです」

折しも時代は撮り切りカメラが発売。
撮っては保存、というニーズにマッチしたのです。
「当時、私の大学受験に父親が付いてきてくれたんですけど、ホテルの同じ部屋で商品の研究をしてましたね。
翌日、受験だというのに(笑)
その熱心さが伝わったのかアジアではこのタイプが主流です」

そんな西川会長ですが、最近、嬉しいニュースが。
「実は伊勢志摩サミットでうちの会社の製品を使っていただいたんです。
これを肴に呑めるぐらい(笑)」
西川会長は「東山雅風」という雅号をお持ちだそうです。
数年前に輪島塗の魅力に惹かれ、自社製品にも取り込んだのだそうです。
「輪島塗のボールペンがなかったんですよね。
輪島塗は木に漆を塗り込み、蒔絵を施し…。
輪島塗には絵師と塗り師がいるのですが、この商品は創作師という新たな仕事を生みました。
その創作師が私なんです(笑)」
この輪島塗ボールペンを各国首脳がお持ち帰りくださったそうです。
全部手書きで1日1本しか出来ないこの商品が、伊勢志摩サミットの影響で生産が追いつかないほどの大ヒットに。
その雅な美しさは是非HPで。

もともと作られていた文具から国際サミットで使われる、輪島塗ボールペンまで。
ともに柔軟かつ大胆な西川会長のアイデアと行動力の賜物です。

竹原編集長のひとこと

まず自社製品の知識とアイデアはもちろんのこと、そこからはみ出す発想力がすごいですね!