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4月17日
今週のゲストは株式会社天満大阪昆布 代表取締役の喜多條清光さん。
世界にUMAMIを発信しつづける昆布の専門家でもいらっしゃいます。
すでに本も多数出版されていて、昨年は昆布の栄養価などを解説した本やレシピ本など1年間で6冊も執筆されたそうです。
そんな喜多條社長に昆布の“美味しいところ”を伺っていきます。
日本人の身近にある昆布ですが…。
「昆布はだいたい年間3万トンほど消費されていました。
ですが、徐々に消費量が減ってきて一昨年には1万5000トンを切ってしまったんです。
冬はお鍋料理を召し上がりますよね?
その季節でも消費量減っていますね…」
この事態に危機感を感じた喜多條社長。
商品開発の前に消費者へのアンケートから開始します。
「昆布でだしをとったお料理は本当においしいんです。
体にもいいですし。
なんで顆粒のだしを使うのかなぁと思いましてね。
聞けば昆布だしをとるのが難しい、 和食を家で作らないなんて意見もありました。
あと、だしをとった後の昆布がもったいないとかも…」
ここから喜多條社長の試行錯誤がはじまります。
「まず“だしをとった後の昆布がもったいない”
これはなんとかなるかもと思いました。
沖縄に『クーブイルチー』という昆布を使った料理がありましてね。
昆布を細かく切って豚と炒め煮する料理なのですが、沖縄はゆでた昆布を食べるんですね。
出汁をとるだけと思っていた昆布が色んな使い道があることがわかりました」
この昆布の旨味、だしの味はどこからきているのでしょう?
「昆布は細かく切ったらそこから出るだしは味が濃い。
細かく切ると断面、表面積が広くなるからです。
だしは表面から出るのではなく、断面からなんです。
日本食品分析センターに解析をお願いしたら、細かく切らない大きいままが100としたら、細かく切ると137もありました。
およそ40%も旨味が増しているのです」
苦心の末、昆布だしを手軽にとることができる、『昆布革命』を生み出す喜多條社長。
「昆布だしは、煮出してとります。
そのだしはその日のうちに使うのが鉄則なんです。
ですが、『昆布革命』は水から出す。
そうすると日持ちすることが分かりました。
およそ1週間も保存できるんですよ」
1mmの細さに切った昆布を3時間つけておくだけで、おいしい昆布だしをとることができる『昆布革命』は、お料理にはもちろん、そのまま飲んでもOK。
「去年の9月から昆布のことだけしかしないと決めたんです。
各地で昆布のことについてお話させていただくことも増えています」
日本各地はもちろん、海外にまで昆布とUMAMIの話をしにいくのだそうです。
喜多條社長が語る美味しい昆布の話。
昆布の力で地球の食文化がさらに進化する日もそう遠くないかもしれません。
昆布だけに特化されている喜多條社長。
ここまでされるのは生半可な努力ではないと思います。
この振り切り方が強みなんですね。