第1041回「福島県沖で地震〜遅れた津波警報」
ゲスト:京都大学名誉教授 梅田康弘さん
電話出演・ネットワーク1・17リポーター 武山友幸さん(宮城県石巻市在住)

22日早朝に、福島県沖を震源とするM7.4の地震が発生し、福島県と宮城県に津波警報が発表されました。気象庁は、東日本大震災の余震としています。M7を超える余震は2014年7月以来2年ぶりで、東日本大震災から5年8か月がたっても、大きな余震が起こり得ることが改めて印象付けられました。
今回、課題として浮かび上がったのは、津波警報の出し方です。地震発生当初、気象庁は福島県だけに津波警報を出し、宮城県や岩手県には津波注意報を出していました。地震から約2時間後、宮城県の仙台港で、予想を上回る高さ1.4メートルの津波が観測され、それを受けて、宮城県の津波注意報は、警報に引き上げられました。警報が遅かったため、宮城県内では、避難指示を出すのが遅れた自治体もありました。気象庁は「要因を分析し、改善に努めたい」としていますが、私たちは、津波警報や注意報などの情報をどのように受け止め、何に注意すればよいのでしょうか。MBSラジオの災害リポーター・武山友幸さん(宮城県石巻市)が、発生時の状況をリポートし、京都大学名誉教授の梅田康弘さん(地震学)が、今回の地震と津波について、解説します。

千葉猛のひとこと
発生から5年8ヶ月以上たっているのに東日本大震災の「余震」がまだ続いているのに驚きました。余震と言ってもM7クラスです。津波に関する情報も「注意報」だからと言って安心してはダメ、「警報」に切り替わる可能性も考えて避難行動をとらなくてはならないと改めて感じました。油断は禁物です。

第1040回「災害時のトイレについて」
ゲスト:防災トイレアドバイザー 長谷川高士さん

日常生活で毎日使うトイレですが、地震などの災害が起きると、断水や停電のほか、下水道の破損などによりトイレは使えなくなります。
自宅や避難所での備えができていないとしたら、トイレに行きづらくなります。
水分や食事を取ることを控えるようになり、エコノミークラス症候群や命にかかわる危険性もあります。
防災意識が高まりつつある昨今、非常食や水の備蓄はしていても、携帯トイレの備蓄をしている方はまだまだ少ないようです。
きょうは、防災トイレアドバイザーの長谷川高士さんにお越しいただき、東日本大震災などの事例も踏まえながら、災害時に備えて、日ごろどのような準備が必要なのか、最新の災害用トイレ事情についてお話を伺っていきます。

野村朋未のひとこと
災害時のトイレについて人と話をする機会もなく、生活していく上で欠かせないことなのに現実的に考えられていませんでした。
早速携帯トイレを準備し、体験もしておきたいと思います。
番組にご出演いただいた長谷川さんがユーチューブで携帯トイレの使い方や選び方、簡易トイレとの違いなどを紹介されている動画があります。一度ご覧になって見て下さい。
https://youtu.be/VkdeOwZTnQw

第1039回「東日本大震災の被災地に通う“復興の歌姫”」
ゲスト:歌手 奥野ひかるさん

大阪の歌手・奥野ひかるさんは、東日本大震災の被災地に通って無料でライブを行い、被災者と交流を続けています。復興の過程で仮設住宅に空き部屋が目立ち始めると、住民からの要望で特別な許可を得て仮設住宅に住んでいました。震災から5年半以上が経ち、仮設住宅の撤去も進んでいます。奥野さんは、住んでいた仮設住宅が撤去される今年7月に、被災地を去りました。
仮設住宅の多くは小学校の校庭などに建てられていたため、子どもたちは、長く校庭が使えない状態にありました。多くの子どもたちが震災でストレスを抱えていたのではないかと感じた奥野さんは、小学校を訪れて子どもたちに向けたライブを行いました。震災が発生した時には小さかった子どもたちも、地震や津波のことを驚くほど鮮明に覚えているといいます。
奥野ひかるさんをゲストに迎え、被災地の現在の状況や現地で感じたことなどを聞きます。
 
千葉猛のひとこと
まもなく東日本大震災被災地でのライブ800回。被災者に寄り添い続けている奥野さんの言葉には強い力がありました。震災発生から5年半、それまでの生活が一変し大きなショックを受けているのに「大人も我慢しているのだから」と、表に出さずじっと耐え続けてきた子どもたちの心の痛みが伝わってきました。

第1038回「熊本地震から半年〜障がい者の避難」
電話出演:弁護士、熊本学園大学 教授、被災地障害者センターくまもと 事務局長
     東 俊裕さん

熊本地震の発生から半年が過ぎました。
熊本地震では障がい者など避難に支援が必要な方のため配慮された“福祉避難所”が機能しなかったことが問題になりました。阪神淡路大震災で課題になった障がい者の避難の対策の問題は21年たっても進んでいるとは言えない状況です。熊本地震発生直後、自宅に取り残されて逃げ遅れたり、情報が入らずどうしたらいいのかもわからない障がい者の方がたくさんいました。
それから半年が過ぎて、障がい者の方はどのような避難生活を送っているのでしょうか?
野村朋未キャスターが被災地を取材し現状を報告するとともに、弁護士で熊本学園大学教授、被災地障害者センターくまもと事務局長の東俊裕さんに課題や対策を聞きます。

野村朋未のひとこと
障がい者やその家族の方の避難生活や仮設住宅での暮らしについて直接お話を伺い、その実態に驚いたというのが正直な気持ちです。
私たちも、歳をとり寝たきりになったり、いつ身体が不自由になるかもしれません。障がい者の問題と見過ごさず、一緒に考えて行かなくてはならない事だと思います。