おはなしの扉

毎日放送のアナウンサーが童話や絵本を朗読する「おはなしの扉」

３月は、長～い冬の寒さから開放され、暖かい春へと移り変わる時期です。植物が芽吹き、動物は冬眠から目覚め、虫たちも土からはいだしてきて確かな春の訪れを教えてくれます。気分もワクワクしてきます。絵本にも、そんな待ちに待った春を優しく描いた作品がたくさんあります。喜びを実感するひと時を「おはなしの扉」でもお楽しみください。
春といえば、恒例の「おはなし夢ひろば１４」を3月23日（日）に西梅田のオーバルホールで開催します。是非こちらにも足をお運びください。詳しい情報は、こちらをご覧ください。
「おでかけ朗読」のリクエストやご要望も、引き続き、こちらのメールで受け付けています。どしどしお寄せください。お待ちしています。

今月のおすすめ絵本



	「みいちゃんとたからものたち」松居　スーザン／作松成　真理子／絵（ポプラ社）
	子供のころの宝物は何ですか？みいちゃんの宝物をのぞいてみると優しい気持になれるよ。７つの宝物のお話。



	「ライギョのきゅうしょく」阿部　夏丸／作村上康成／絵（講談社）
	ドーナツいけの学校で勉強する仲良しコンビのライギョとタナゴ。「本当の仲良し」になれるかな！？



	「そらはさくらいろ」村上　康成／作・絵（ひかりのくに）
	桜ちる中、寝っ転がるのは気持ちいい！いつも上から見てばかりのそらくん。一緒に寝転びたくて・・・春が体感できる絵が魅力。

		松井愛アナウンサー

　こんにちは。ナビゲーターの松井　愛です。
　最近、少しずつ春らしくなってきて、昼間でも、ウトウト眠くなってしまいます。そんな、のんびりした時間にゆったりと読んでもらいたい１冊。『みいちゃんとたからものたち』をご紹介します。
私が子供の頃、住んでいた所は、まわりに田んぼや原っぱがいっぱいありました。特に、お気に入りの場所は、春にはレンゲが、秋には、キンモクセイの咲く、家の裏のお花畑。母がよくレンゲの冠を作って私と妹の頭にのせてくれました。
ある年の秋、満開になったキンモクセイの甘い香りを、いつも帰りが遅かった父にもかがせたくてビンに摘んでもって帰ったことがありました。でも、あんなにきれいだったオレンジ色の花も、夜には茶色に変わってしまい、香りも全然違うものになっていて、悲しかったのを覚えています。キンモクセイは枝から離してはいけない花だったんですよね。
子供の頃って、良い香りのする花や、ピカピカ光る石が大切に思えたのに、みいちゃんに教えられるまで忘れてしまっていました。みいちゃんは、その小さな手にふれる色んな宝物を、とっても大事に持ち続けています。レンゲの冠も、みいちゃんのように押し花にして宝物の缶に入れておけば良かった。おじいちゃんが拾ってくれた海岸の石も大事にとっておけば良かった。身近なところに宝物は、たくさんあったんだと、懐かしく、優しい気持にさせてくれる作品です。
皆さんも、久しぶりに子供の頃の宝物を思い出してみませんか。

今月の放送予定

放送日	おはなし	作者	発行所	担当
３／２	みいちゃんとたからものたち」から「赤いボタン」「バタークッキーのかん」	松居スーザン	ポプラ社	上田悦子
３／９	おばあちゃん、ゆうびんです	杉　みき子	PHP研究所	石田敦子
３／１６	（月刊絵本《こどものとも》408号）もりのてがみ	片山令子	福音館書店	古川圭子
３／１６	おんぶおばけ	松谷みよ子	童心社	関岡　香
３／２３	※選抜高校野球放送のため休止です。
３／３０	「星のタクシー」から「ねずみのまほう」	あまんきみこ	ポプラ社	田丸一男
３／３０	※ただし放送は午前８：５３からです。

※選抜高校野球放送のため休止です。