毎日放送のアナウンサーが童話や絵本を朗読する「おはなしの扉」 新年、あけましておめでとうございます。新しい年を迎えるのは気持ちの良いものですね。 「あれもしたい。これもしたい。」と、様々な思いが膨らみます。今年１年が皆様にとって良い１年となりますように。 番組では、今年も多くの絵本作品を朗読してゆきます。「おでかけ朗読」もできる限りご要望にお応えし、皆様のもとに伺いたいと考えています。皆さんからのおでかけ朗読のリクエストやご要望を、こちらのメールでも受け付けています。どしどしお寄せください。 皆さんに支えていただきながら、より一層大きく成長していきたいと思っています。 今年もどうぞよろしくお願いします。 今月のおすすめ絵本 「したきりすずめ」 石井　桃子／再話 赤羽　末吉／画 （福音館書店） すずめの舌をちょん切った欲張りばあさんがすずめからもらったものは？開けてびっくり！ 「風切る翼」 木村　裕一／文 黒田　征太郎／絵 （講談社） 仲間を死なせたとなじられた一羽のつる。 やがて、冬が来てつるの群れは南の国へ。残されたそのつるは… 「ねこ いると いいなあ」 さの　ようこ／作・絵 （小峰書店） １００万回も「ねこいるといいなあ」と言い続ける女の子。「だめ！」と１００万回言うおかあさん。そんなある日、「ニャー」と声がして… 野村アナウンサー 　こんにちは。ナビゲーターの野村啓司です。 昨年の世相を表す漢字の第一位は「帰」でした。２４年ぶりの帰国。そして懐かしい歌をはじめ、古いものが帰って来た年だったことがその理由です。 そこで今月は、まず絵本の古典と言ってもいい皆さんもよくご存知の「したきりすずめ」をご紹介します。 幼い頃、私は、「したきりすずめ」から「欲張りはいけません」「動物は大切に」「悪いことをしたら必ず・・・」のようなことを教わったような気がします。「嘘をついたら閻魔さんが舌をぬく」という話より「すずめの舌をちょん切った」おばあさんには、随分残酷な思いがしたものです。歌舞伎や古典落語などはその内容を知り尽くしていても、見たり聞いたりするたびに、新たな感動や笑いがあるものです。人それぞれ、人生経験を積み重ねるたびに、感じ方、受けとめ方が変わってゆくからでしょう。 新年を迎えるにあたり、古典の作品を今一度、新たな想像をして読んでみてはいかがでしょう。きっと新鮮な発見があるに違いありません。 次に「風切る翼」。人間の社会にもありそうな「つるの世界」のおはなし。 仲間の幼い一羽のつるがきつねに襲われたことから始まるモンゴルを舞台にした感動のものがたり。 そして「ねこいるといいな」。 何回も何回も唱えたら夢が実現する？ねこが大好きな女の子。ほのぼのとした絵を見ていたら、心がとっても温かくなってきます。 みなさんも是非ご一読ください。 今月の放送予定 放送日 おはなし 作者 発行所 担当 １／５ したきりすずめ 石井桃子再話 福音館書店 野村啓司 １／１２ おさじさんのたび 松谷みよ子 にっけん教育出版社 水野晶子 １／１９ 風切る翼 木村裕一 講談社 大八木友之 １／２６ ねこ　いると　いいなあ 佐野洋子 小峰書店 松川浩子 「彦一さん」から「ふしぎなはこ」 寺村輝夫 あかね書房 加藤康裕