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上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 ＭＢＳラジオ
｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2025年12月13日 放送分】 |
2025年12月13日 |
【巻】…15・3580
【歌】…君が行く海辺の宿に霧立たば 吾が立ち嘆く息と知りませ
【訳】…あなたが行く海辺の宿にもし霧が立ったならば、私が嘆いている息だと思って、私の事を思い出して下さいね
【解】…今回は、遣新羅使人にまつわる歌をご紹介しました。夫が旅路に行く先に霧が見えたなら私の息だと思って下さい。という夫に対する妻の想いが込められたものです。一途な気持ちが表現されたきれいな歌です。上野先生にとってこの作品は自身の原点でもある歌だそうで「嘆きの霧パターン」とも言われる作品とのことです。加えて人間って大変な時にこそ良い歌ができるものなのだそうです。
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| 【2025年12月6日 放送分】 |
2025年12月6日 |
【巻】…14・3567
【歌】…置きて行かば妹ばまかなし待ちて行く梓の弓の弓束にもがも
【訳】…置いて行ってしまったならば妹のことを本当に愛おしく感じれられるだろう、持
って行く梓の弓の弓束であったらよいのに
【解】…今回は、防人の歌のひとつを詠んでいきました。弓を左手で掴む所を弓束と言い
ます。弓だったら持って行けるのに…彼は愛おしい人と歩く時は常に右側にいて左手で手
をつないで歩いていたのでしょう。この後、二人は再会できたのでしょうか？防人の方が
遠い所へ行かなければならない心情を歌った作品をご紹介しました。
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| 【2025年11月29日 放送分】 |
2025年11月29日 |
【巻】…14・3521
【歌】…烏とふ大をそ鳥のまさでにも来まさぬ君を此ろ来とぞ鳴く
【訳】…烏というおろかな鳥が本当は来ないあなたなのに此ろ来と鳴いている
【解】…今回は、烏という鳥が登場するとても珍しい歌をご紹介しました。烏が鳴いてい
る夕暮れ時を思い浮かべながら詠んでみて下さい。烏の鳴き声は「カーカー」が一般的で
すが、この歌の女性には「コロク」と聞こえたそうです。「此ろ来」とは「やってくる」という意味ですが、この女性が彼に会いたいと想う気持ちがあまりにも強くて、このような鳴き声に聞こえたのかもしれません。
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| 【2025年11月22日 放送分】 |
2025年11月22日 |
【巻】…14・3472
【歌】…人妻とあぜかそを言はむ しからばか隣の衣を借りて着なはも
【訳】…人妻だとそうしてそれを言うのですか、それならばと隣の人の家の着物を借りて
着れなくなりますよ
【解】…今回の歌の訳は「人妻だとそうしてそれを言うのですか、それならばと隣
の人の家の着物を借りて着れなくなりますよ」という歌です。内容を見るとな
んとなく矛盾した感じが受け取れます。当時ですと、かなり重い罪を受けるこ
とになる内容だそうで、上野先生がおっしゃるには、これがこの歌の魅力なの
かもしれないということです。にしてこんな歌をよく詠んだものだと感心して
おられました。
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| 【2025年11月15日 放送分】 |
2025年11月15日 |
【巻】…14・3460
【歌】…誰ぞこの屋の戸押そぶる新嘗に わが背を遣りて斎ふこの戸を
【訳】…誰がこの家の戸をたたいているのですか、新嘗に夫を外に出してお祭りをしてい
るこの戸を
【解】…今回は、新嘗祭にまつわる歌を詠んでいきました。当時は家でお祭りをする際は女性が中心となって男性を外に出していたそうです。そんな神聖な日にわざわざ戸を叩く男がやってきて、中の女性を口説きに来たという歌です。ちょっと掟破りな歌に感じましたが、こんな日に起こった出来事だからこそ、残っている歌なのかもしれませんね。
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