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現在住んでいる尼崎市南武庫之荘に引っ越してから、もうすぐ10年になる。転居して間もない頃、何やら気になる焼肉屋さんがあった。それが、ハマンだ。ハマンのマスターとの付き合いも10年ということになる。
二つ年上の彼が、今では私の最大の理解者であり、親友である。マスターとの出会いがあったからこそ、私の韓国語落語が生まれ、私が噺家として変化していったのである。
マスターとは最低でも週に一回、多ければ四回ほど飲みに行く。それほど、私にも、また、マスターにも友人がいないのである。私の家族は呆れている。
昨夜10時半頃、家族に「レンタルCDショップに行く」と言い、家を出た。すると、ハマンの前でマスターとバッタリ。「ちょっと寄りいな」と言われたので、CDを借りた後、ハマンに入った。ちょうど店も終わっていた。「外で飲もか」。マスターに促され近くの居酒屋へ。「CD借りに行くって出てきたし、銀瓶人語も書かなアカンから、一杯だけやで」と約束したのだが、どんどん話が弾み、あっという間に二時間経った。ハマンの前まで戻ると、マスターが突然「アチャ〜」と声を上げた。鍵を持たずに出てしまったのだ。店も家も明かりは点いている。マスターは携帯も家に置いたままだった。奥さんに開けてもらうため、私の携帯で店に電話をかけた。ところが、全く出ない。壁の向こうから呼び出し音が虚しく聞こえるだけである。呼び鈴を押しても応答がない。30分間、何度も電話をし、呼び鈴を押し続けた。しかし、状況は変わらない。もしかしたら、奥さんが厨房で倒れていたり、何か事件に巻き込まれたのかと心配になった。二人で小石を拾い、二階の窓を目がけて投げた。投げては拾い、拾っては投げ。石が窓に当たる「コツコツ」という音が、まるで二人を嘲笑っているかのようだった。そこへ、お巡りさんが通りかかった。案の定、職務質問をされた。事情を説明すると、巡査は「大変ですね」と笑いながら帰って行った。やっと、奥さんが出てきた。寝ていたのだ。
やれやれと家に帰り、ドアの鍵を開け、扉を開こうとした時、今度は私が「アチャ〜」と呟いた。ドアチェーンが掛かっているのだ。呼び鈴を押すと、妻が出てきた。恐ろしい形相だった。「CD借りるのに、何時間かかるの?」。
私とハマンのマスターは、本当にウマが合う。
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