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何人かの元プロ野球選手と仲良くさせてもらっている。最も顔を合わせるのが、板東英二さん。金曜日には嫌でも会う。来年、私の落語会に漫談で出演してくれる予定だ。ギャラは、大好きなゆで卵で辛抱してもらおう。
世界の盗塁王・福本豊さんにもお世話になっている。昨年から、福本さんと関係の深いショットバーで寄席も開いている。とてもよく笑う方で、客席には盗塁王の笑い声が響いている。マクラで自分のことが話題になると、とても喜ぶ。
実は、福本豊さんは大のヅカファンである。宝塚歌劇をこよなく愛している。ファンになってまだ2年くらいなのだが、最低でも週に1回は必ず通い、多い時には同じお芝居を10回くらい観るのだと言う。
「俺に会いたかったら、月曜日にタカラヅカに来たらええ。派手なアロハシャツを着てるから、すぐにわかる」と言っていた。ある日、阪急電車の西宮北口駅で福本さんにバッタリ会った。月曜の午前中だった。「どちらまで?」と尋ねる私に、「決まってるがな」と言い残し、宝塚線のホームへ降りて行かれた。ハワイの人でも着ないようなアロハシャツを身に纏っていた。嘘じゃなかった。「嘘つきは泥棒の始まり」と言うが、福本さんの場合、通算1065の塁を盗んでも、嘘はつかない。野球解説同様、気持ちのいい方である。
先日、福本さんに「落語も好きですか?」と聞くと、「当たり前やがな。嫌いやったら店で寄席なんかせえへんで」と、世界的なプレーヤーらしからぬ、いつもの口調で答えてくれた。「そやけど、噺家さんってスゴイなぁ。こないだ銀瓶ちゃんがやった、あの、ハクションの噺。ほれ、ハクション、ハクション言うとったやつやがな。えっ?くっしゃみ講釈?そうそう、それそれ。あんなん、よう覚えるなぁ。あれは難しいやろ?」「何を言うてはるんです。盗塁の方がうんと難しいじゃないですか」「盗塁?あんなん簡単や。走ったらええねん。何も覚えることあらへん」「そやけど、ピッチャーの癖を覚えたでしょ?」「ピッチャーの癖言うたかてやな、顎をキュッと引くとか、肘がクッと上がるとか、ケツがプリッと動くとか、そんなんを覚えるねん。あんな長い言葉は覚えへん」「当たり前やないですか」。
世界の盗塁王に、ますます心を奪われる私がそこにいた。
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