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今朝、朝ゴハンを食べていると、「昨日、お父さんからメールが来たんやけど、それがおかしいねん」と言いながら、妻が私に携帯を見せてくれた。「お父さん」とは、今年68歳になる私の父のことである。
差し出された受信メール画面を見ると、そこには「お前は誰やったかな?」と書いてあった。私と妻は結婚して16年。妻は、これまで何度も父と会っている。そして、父と携帯で電話やメールのやり取りもしている。今さら「お前は誰やったかな?」と聞かれるような間柄ではないはずだ。
「どういうことや?お前、このメールをもらってどうしたんや?」と尋ねると、妻は次のように説明した。
すぐに「裕子です」と返信しようとしたが、思い留まった。もしかしたら、父が携帯をどこかに落とし、それを拾った誰かがメールをしているかもしれないと考えたのである。そこで、私の実家に電話をして留守番電話に事の顛末を録音した。それを聞いた私の母から、妻に電話があった。母は開口一番、こう言った。「オッサン、アンタに何したん?」。母は父のことをオッサンとかオヤジと呼ぶ。こういう夫婦を円熟期に入ったと言うべきか、あるいは末期的な状態と呼ぶべきか。妻が事情を説明すると、母はバッサリ切り捨てた。「あのオヤジ、頭おかしなったんちゃうか?」。暫くして、父から妻に電話があった。「いや〜、スマンスマン。なんやわけのわからんメールアドレスがあったから、これ誰かなと思ってな〜」。つまり、父は妻のアドレスを何年もの間、登録していなかったのであろう。それにしても、「お前は誰やったかな?」というのは、常識ある大人が書く文面ではない。
戒めの意味も込めて、私から父にメールを送った。「お前は誰やったかな?」と。未だ、返信がない。本当にあの人は誰なんだろう。
私は妻に父のことを謝りながら、「ホンマにあのオヤジ、どっかズレとるな〜」とボヤいた。すると、妻が「ズレてるのはアンタもや」と、ドコモの請求書を出した。なんと、先月の料金が73,754円。韓国で使ったのが高くついたのである。私は妻に言った。「お前は誰やったかな?」。
今年の我が家の流行語は決まった。「お前は誰やったかな?」。
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