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ブルーズ講座 (関西エリア 2001/12/23放送分)


秋の夜長とブルーな映画音楽
「強烈な個性でデビューしたWoopie Goldbergは歌うのが大好き!?」

今回の放送曲目

The Lounge Medley / Deloris&The Ronelles Altman

 今回の最初の曲は1992年の「SISTER ACT/天使にラヴ・ソング」のサントラ盤から。モータウンの60年代のヒット、マーサ&ザ・バンデラスの"Heat Wave"とメアリー・ウエルズの"My Guy"を繋げそこにぺギー・マーチの"I will follow him"を続けたメドレー・ナンバーだが、これはウーピーと尼僧役(シスター)の女優たちが歌っている。やっぱりモータウンはハジけるなぁ。

《ウーピー・ゴールドバーグ/Whoopi Goldberg》
 最初にウーピー・ゴールドバーグ/Whoopi Goldbergのことを少し紹介すると本名はCaryn Johnson、1955年のニューヨーク生まれですから現在46才ですか。初舞台は8才。児童劇団にずっと在籍して高校を卒業した後、ブロード・ウェイの「ヘアー」や「ジーザス・クライスト・スーパースター」の端役で舞台に立つがもちろんそれでは生活できずウエストコーストに心機一転移住してサンディエゴの劇団に所属。このサンディエゴ時代に役者としての基本と今日に至る彼女の個性を培ったようだ。その後サンフランシスコに住み1983年に「ひとり芝居」の旗を掲げて全米ツアーに出た。そして、この芝居に映画「卒業」を手掛けた監督、マイク・ニコルズが感動しウーピーのブロードウエイのデビューをプロデュース。このあたりからウーピーに幸運の女神が微笑み出す。このアルバムではウーピーとシスター役の女優たちが5曲歌っています。しかし、歌は素人と言ってもある程度のクォリティには絶対もっていくところがすごい。次の曲は60年代に活躍したR&Bブルーズ・シンガー、フォンテラ・バスの63年のヒット曲で、R&Bチャートの1位に1ヶ月も留まった曲で、これはオリジナルのバスのヴァージョンを使っています。

Rescue Me / Fonttela Bass

《フォンテラ・バス/Fonttela Bass》
 フォンテラ・バスの母はマーサ・バスという名の知れたゴスペル・シンガーで有名なクララ・ウォードのゴスペル・グループに在籍していました。フォンテラは小さい頃からゴスペルに親しみ母たちのバックでオルガンを弾いていたこともあります。この「レスキュー・ミー」が彼女の最も代表的な曲だ。他にもボビー・マックルーアとデュエットした65年の"Don't Mess Up a Good Thing" "You'll Miss Me When I'm Gone";など、また元亭主のアート・アンサンブル・オブ・シカゴのトランペッター、レスター・ボウイと結婚していた頃はアート・アンサンブルでも録音しているが僕は未聴です。

《Etta James/エタ・ジェイムズ》
 次はフォンテラ・バスと同様に50年代に活躍しはじめいまもソウルの肝っ玉かあさんとしてその歌声を聴かせてくれているエタ・ジェイムズの曲です。

Roll With Me Henry / Etta James&Richard Berry

 エタ・ジェイムズはこの番組で何度もOn Airしましたが、特集した時にも言いましたが彼女は10代の頃にウエストコーストのボス、ジョニー・オーティスに見い出されてデビューしたのですが、この曲は1954年にオーティスのプロデュースでRichard Berry という男性歌手とデュエットしたものです。

 さて、ウーピーはブロードウエイにデビューした翌年85年にスピルバーグの「カラー・パープル」の主役に抜擢され映画デビューとなった。そして、最初からアカデミー主演女優賞にノミネートされるというラッキーなスタートを切ったが、あの映画の彼女の存在感は並ではなかった。黒人姉妹が男から虐待やひどい扱いを受けながら、それでも強い結びつきいつも忘れず逆境を生きた40年間を描いた物語だったが、原作者のアリス・ウォーカーはこの本でピューリッツア賞などの文化的栄誉を多数受けた。「ゴースト/ニューヨークの幻」 (1990)  「ロング・ウォーク・ホーム 」(1990)「サラフィナ! 」(1992)「 ジャンピン・ジャック・フラッシュ」 (1986) などに出演し、デミー・ムーアを食ってしまった「ゴースト/ニューヨークの幻」ではアカデミーの助演女優賞を獲得。そして、ウーピーは92年の「天使にラヴ・ソングを」で得意なコメディに全開で取り組みその人気を決定的にした。「天使にラブ・ソングを」は売れないクラブ歌手がギャングに命を狙われ、逃げ込んだ修道院にかくまってもらい、そこの聖歌隊をゴスペル・クワイアーにしてしまったり教会内でハチャメチャするコメディ。そして、これはパート2が制作されるほどのヒットとなり、翌93年「天使にラヴ・ソングを 2.」が公開され、これには現在女性としてヒップホップ界の女王にのぼりつめたローリン・ヒルが準主役で登場。サントラにはタニア・ブラアントとのバラードが1曲しか入っていないローリン嬢だがなかなかの演技と素晴らしいこの1曲でその人気が加速された。

His Eyes Is On The Sparrow / Tanya Blount&Lauryn Hill

 そして、この曲の後にはローリンも尊敬する黒人音楽界の至宝、アレサ・フランクリンにより強力なヴォーカルが出てくる。タイトルは「より深い愛」だがアレサの声もディープでシャープだ。

Deeper Love / Aretha Franklin

 そしてこの5年後98年にアレサはこの才能溢れる女性ローリン・ヒルに、自分のアルバムに作曲を依頼する。その"a rose is still a rose"(バラはずっとバラなの)はまるでアレサを讃えるかの曲でアレサ姉御はローリンにプロデュースとコーラスもやらせる気に入りようだった。  ウーピーはこのパート2でもメドレーを歌っている。JBからマーサへという荒技。ジエイムズ・ブラウンの"Get Offa That Thing"とマーサ&バンデラスの"Dancin'in the street"を今回は繋げた。

Get Offa That Thing-Dancin' In The Street / Woopie&The Ronelles

 話は少し過去へ戻るのですが、ウーピーが少し重い「カラー・パープル」で映画でデビューした後に出演したのが「JAMPIN' JACK FLASH」というやはりコメディだった。彼女は同じ80年代に登場してきたエディ・マーフィーと同様に最も好きなのはコメディだそうだ。余談だが、僕が好きなコメディアンは昔ジョン・ベルーシ、いまは映画「フィフス・エレメント」でも得意のマシンガン・トークを披露していたクリス・タッカー。この「JAMPIN' JACK FLASH」は観ていないのだが、タイトルどうりテーマ曲はこれ!

Jampin' Jack Flash / The Rolling Stones

 「JAMPIN' JACK FLASH」の中でもフォンテラ・バスの「レスキュー・ミー」がグウエン・ガスリーによってカヴァーされているが、ブラック・ムーヴィーによく出てくる曲のひとつだ。あとアレサの「Respect」よく出る1曲。「JAMPIN' JACK FLASH」でも流れるスプリームスのこのヒット曲はブラックだけでなく白人の映画でもよく使われている。66年R&B、POPとも1位になったこの曲。

You Can't Hurry Love / Diana Ross&The Supremes

 僕はウィーピーというと「カラー・パープル」をまず思い出す。あの映画を観たときにふたりの黒人姉妹がなぜもこんなに小さくなりながら生きていかなければならないのか・・と虐待されるふたりのストーリーを追いながら悲しく、そして怒りが湧いてきた。しかし、どんなに虐待されても日々の生活にちょっとした喜びや楽しみをもち、つつましく、力強く生きてきたあの時代のアフリカン・アメリカンたちにはいくつもあった話かも知れない。いつも白人に脅かされるだけでなく、黒人の自分の親から虐待を受ける黒人の子供たち・・。実はそういう虐待が日本でもはじまっている。みなさんも御存知のように祖父祖母、両親から、つまり一家全員から虐待を受けて亡くなった子供が日本にもこの前いた。彼の「生」はなんのためだったのか・・と神がいるのなら聞きたい。「カラー・パープル」の姉妹は離れていても手紙をやり取りし、それが大きな精神の支えとなっていく。「自分を愛してくれている人がいる」という喜びがウーピーの瞳の中にあった。やせっぽっちで美人でもないあの映画のウーピーはクインシーの作る音をバックに「どんな状況下でも生きていく喜び」を手放さないというパワーを観客にたくさん与えた。役者としての強い個性と確かな演技力があれば美人でなくとも、若くなくともアメリカ、ヨーロッパの映画界は主役を与える。日本では彼女のような役者は一生脇役で終わることが多い。例えば希木樹林さんのような個性的な女優さんが主役をやることはなぜかない。あったとしてもそれはメジャーではない。若いというより、子供のようなテレビタレントが出ているテレビドラマのような映画に金を払う気持ちに僕はなれない。時間を遣う気にもなれない。

 いまやハリウッドで最も高額なギャラの女優のひとりとなったウーピー・ゴールドバーグの新作を待っているのだけど・・。(日本の映画をほとんど見ない僕だが、先日「GO」という映画を観てパワーをもらった。いい映画だった。)最後にウーピーの映画としてはあまり評判にならなかった96年の「Associate」に挿入されているJBの名曲。やっぱ僕の遠いボスやから・・かけとかなあかんやろ。

It's A Man's Man's World / James Brown

今回の放送曲目




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