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ブルーズ講座 (関西エリア 2001/09/23放送分)



秋の夜長とブルーな映画音楽

今回の放送曲目


A Hard Day's Night / The Beatles

 いつ聞いても心ときめく僕の洋楽への初体験だったビートルズの、それも「動く」彼等をはじめて見た感動の1曲がこの"A Hard Day's Night"でした。今回はここのところ結構ヘヴィなラップの特集をやってきたので、ここらで一息。映画音楽とブルーズの特集です。この曲がイントロで象徴的に流れる同名の映画"A Hard Day's Night"(邦題「ヤア、ヤア、ヤア/ビートルズがやってくる」)はもう何回観たかわからないくらい観ましたし、サウンド・トラック(ビートルズの場合、サウンド・トラックというか・・・映画のために作ってるわけではなくアルバムとか曲のイメージで映画を作っているというか、アイデアはほぼ同時に出来てるような気がするのですが・・)のアルバムも全部憶えているくらい聴いていますが、その中で僕が最もブルーズっぽい曲はジョン・レノンがリードをとる次の曲。たぶん作ったのもジョンだと思います。

You Can't Do That / The Beatles

 このアルバムはビートルズの3枚目になるのか・・。いま見てもジャケットのポップさは古さを感じさせないし、このジャケットのマネはいままでもたくさんありました。ビートルズはこの翌年65年にも「Help」という映画を作ってプロモ・フィルムなどなかった60年代、僕たちは「動く」ビートルズを見るために映画館に押し寄せた。「Help」のアルバムの中では最もブルーズっぽい曲は歌詞から聞くと「Help」だけど、サウンド的に言うとこれかな。

Ticket To Ride / The Beatles

 この「Help」には2曲カヴァー曲が入ってるけど、1曲はリンゴ・スターがリード・ヴォーカルをとるカントリー&ウエスタンの「Act Naturally」そして、もう1曲が最後に入ってるジョンがリードをとる50年代の黒人ロックン・ローラーのラリー・ウィリアムスのヒット「Dizzy Miss Lizzy」。ビートルズのヴァージョンを聞いたことのある人でもオリジナルのラリー・ウィリアムスを聞いたことある人は少ないと思うので、私のアナログ盤から聞いてみてください。ビートルズのと2曲続けてどうぞ。

Dizzy Miss Lizzy / The Beatles

Dizzy Miss Lizzy / Larry Williams

 オリジナルはもちろん素晴らしいのですが、ジョンの歌唱の素晴らしさはやはり数多いる白人ロック・シンガーの中でも群を抜いている。ジョンの方がかっこいいと思えるのは僕だけでしょうか・・。ロックというならまずこういう歌唱ができなくては・・・と、いまの日本で言ってもしかたないけど・・。この時期のビートルズはアイドルを脱皮して自分達に正直に音楽をやっていこうとしていた時期で、いまの日本のロックのように焦点をティーン・エイジャーに合わせるようなことをやめてしまう頃です。ほとんど自分たちのオリジナルで充分にアルバムを作れるのにジョンがここで昔から歌ってきたR&Rのカヴァーをやったことは、自分たちのロックバンドとしての本道を思い出そうとしたのではないか・・という気がします。ポールは「YESTERDAY」のような甘ったるい路線に走った時期でしたし。

 ちょいと横道に逸れますが、ラリー・ウィリアムスはブルーズマンのジョニー・ギター・ワトソンとも60年代にかかわりがあってふたりでツアーもしていたようで"Larry Williams Show with Johnny Guitar Watson"なんていうアルバムも残されているのですが、それはその後67年に出されたアルバム"Two for the Price of One"と共にR&RとBLUESとR&Bの混じった実におもろいアルバムになっています。しかもその"Two for the Price of One"中にメチャおもろい曲が入ってます。歌っているのはラリー・ウィリアムとジョニー・ギターですが、バックの演奏はデビッド・リンドレーが60年代にやっていた「カレイドスコープ」というサイケ・バンドでたぶんほとんどの皆さんは聞いたことのない代物だと思います。R&B、フォークロック、サイケデリックがミックスチャーされた1967年の摩訶不思議な音楽を聞いてみてください。では、

Nobody / Larry Williams

 僕は以前にも言いましたが、音楽のある映画というと「ミュージカル」というのが苦手で小さい頃見たジュリー・アンドリュース主演の「The Sound of Music 」や「王様と私/The King and I 」、近所のお姉ちゃんたちが「ジョージ・チャキリスかっこええわー」と騒いでいた「West Side Story」あたりはどうってことなかったんですが、10代の終わりくらいに日本のミュージカルを見せられて歌いながらセリフを言う不可思議もさることながら、どう見ても「富雄」くらいにしか見えない男優を「トニー、トニー」と呼ぶ不自然さに、いくら物語でも、フィクションでも限度があるやろと思ってからどうもミュージカルは・・・苦手。

 「ロック・ミュージカル」というのも60年代の終わりに表れまして、音楽は聴いているのですが、舞台や映画はまるで見ていません。次ぎの曲も68年にリリースされたプロードウェイ・ロック・ミュージカル「ヘアー」の中の代表的な曲です。ヒットさせたのはThe 5th Dimention「アクエリアス」と「Let the sunshine in」が続けて歌われるのですが、後半のR&Bっぽい「Let the sunshine in」がかっこいい。

Aquarius-Let The Sunshine In / The 5th Demention

 僕が大学に入った頃にとても心に残った映画のひとつがダスティ・ホフマンが主演していた「真夜中のカウボーイ」だった。そして、アメリカ映画にしては珍しく主人公が死んでしまうという「アンハッピー・エンド」の物語で、このハリー・ニルソンの曲が歌詞はわからないのにメロディがずっと耳に残り、その後も頭の中で何度も何度もリピートされました。

Everybody's Talkin' / Harry Nilson

 「真夜中のカウボーイ」も「アメリカン・ニュー・シネマ」と言われた60年代後期からのアメリカの新しい映画の動きのひとつでしたが、ほかにも「明日に向って撃て」「イージー・ライダー」そして、サイモン&ガーファンケルのこの曲が印象的だった映画「卒業」もダスティ・ホフマンが主演で、これもまた名作でした。年上の女性に憧れる気持ちは僕もあったのでこの歌は胸に沁みました。

Mrs. Robinson / Simon&Garfunkle

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