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ブルーズ講座 (関西エリア 2001/02/18 放送分)


70年代日本のブルーズ
シカゴ・シャッフル大流行
シャッフルなきブルーズはあり得ない。

今回の放送曲目


Honky Tonk / Robert Jr.Lockwood

 僕達(The Westroad Bluesband)がブルーズに本腰を入れ、一挙に黒人ブルーズに身を乗り出した頃、72-73年頃日本はフォークから派生したやがてニュー・ミュージックと呼ばれるものがヒットするようになり、片方洋楽ではディープ・パープルなどハードロック上昇期にだった。フェンダーやマーシャルのアンプがどんどん輸入され始め、また日本のミュージシャンたちがギブソンやフェンダーを模した日本のメーカーのギター、ベースから本物のギブソンやフェンダーをもつようになった。そういう中、音量を下げて黒人ブルーズをプレイする僕たちはウケないだろうな・・・と思っていたのに、何故か地元京都、大阪から次第に応援してくれる人たちが増えてきた。それはやがて「関西ブルーズ・ブーム」の大きな動きとなっていった。

 そんな中1974年11月に「第1回ブルーズ・フェスティバル」が開催され、スリーピー・ジョン・エステスとハミー・ニクソンのデュオと、いろいろなブルーズマンのレコーディング、ライヴを経験し、シカゴ・ブルーズ・サウンドを作り上げた偉大なひとりであるロバート・ジュニア・ロックウッド(かのロバート・ジョンソンの義理の息子)。そしてそのバッキングにこの70年中期にシカゴ・ブルーズ随一のリズム隊であったThe Aces(ジ・エイシズ)が来日した。みんなそれぞれに素晴らしかったがやはりロックウッド・バンドが鮮明に印象に残った。ロックウッドは伝説のロバート・ジョンソンの義理の息子であり、ジョンソンから直接ギターを教えてもらった者はロックウッドただひとりという話。

Sweet Home Chicago / Robert Jr.Lockwood

 もう1曲同じアルバムから超有名曲のSweet Home Chicagoだ。1曲目も2曲目もリズムは「Shuffle/シャッフル」というリズムだ。トランプのカードを切ることをシャッフルするというが、そんな感じのするビートではないだろうか。これができないとブルーズ・ドラマーにはなれない。何故ならシャッフルはブルーズにとって絶対に欠かせないビートであるからだ。74年の来日でフレッド・ビロウのザッザ、ザッザ、ザッザという軽快なシャッフルは日本のブルーズファンの耳に心にいつまでも残ることになり、この後しばらく「シカゴ・ブルーズ」が日本におけるブルーズの基本のようになってしまったのはロックウッドとエイシズのプレイが素晴らしかったからだと思う。

 残念ながらビロウは88年に亡くなったが、彼はシカゴ・ブルーズのリトル・ウォルター、マディ、サニーボーイ、ハウリン・ウルフなどのレコーディングをやりロックウッドと同じく「シカゴ・ブルーズ」を作ったスタジオ・ミュージシャンのひとりであり、大黒柱のひとつとなった人だ。元々、ジャズのドラマーだからシャッフルも4ビート系のシャッフル。ロックウッド自身もジャズ的なアプローチをよくみせるひとなのでふたりのグルーヴはぴったりだったはずだ。

 しかし、シャッフルと言ってもたくさんある。初期にまず、僕たちが挑んだブルーズのシャッフルはいまになってもかなり難しい。共演したB.B.が50年代に「ケント・レコード」に残した曲だ。デビューが50年だった彼はこの「ケント・レコード」にいた10年間でその後のスタイルをしっかり作り上げた。

Crying Won't Help You / B.B.King

 こういうミディアム・テンポのシャッフルはキープするのがすごく難しく、もっと早くするか遅くするかにしてしまいがちなのだが、僕たちはピアノもホーン・セクションもないのにB.B.のこのテンポを自分達のものにしょうと思った。シャッフルにはいろんなシャッフルがあり、またその地方によっても独特のシャッフルがある。例えばジャズ・ブルーズ系のルー・ロウルズなどがよく使うスウィング・シャッフル(4ビート・シャッフル)を次に聴いてください。

Cry Me A River Blues / Esther Phillips

 次は「ダウンホーム・シャッフル」の元祖、ジミー・リード。「ダウン・ホーム」という言葉はよくブルーズに出てくるが、「リラックスして家にいるような気分。カンカンやなくてズルズル。」肩の力が思いっきりぬけるこの人のシャッフルも代表的なひとつ。

Baby What you want me to do / Jimmy Reed

 いまのほのぼのとしたシャッフルの後にテキサスのバリバリのシャッフル。アグレッシヴで、テンション高い感じ。「テキサス・シャッフル」とか「シカゴ・シャッフル」とか地名がついているものもある。テキサスのボス・オブ・ザ・ブルーズと呼んでもいいでしょう。ジョニー・ギターもアルバート・コリンズも吾妻光良もこのひとに憧れた。テキサス・シャッフル。

Midnight Hours Blues / Clarence Gatemouth Brown

 ソウルにもゴスペルにもシャッフルはたくさん使われているが、これはJBのCool But Hot なファンクにおけるシャッフル。名付けるなら「ファンク・シャッフル」別名−「三連シャッフル」。

Doing It To Death / James Brown

 1974年にブッダ・レコードからジエイムズ・コットンが発表したハード・ファンク・ブルーズ。ギターに業師マット・マーフィーを据えて、若いベースとドラムを入れて見事なファンク・ブルーズを展開。スローでもシャッフルでもなぜか新しい感じがこのバンドにはあった。これは同じくシャッフルだが、左手、つまりスネアーを2つ、タッタッと叩いている。これだけでグルーヴ感は変わる。

All Walks Of Life / James Cotton

 これぞシャッフルという見本の曲。その名も.T.Bone Shuffle。テキサス・シャッフルの見本とも言える曲。

T-Born Shuffle / T-Born Walker

 次回はこの曲 T-Born Shuffleを僕達「ウエストロード」がどんな風にレコーディングしたか・・・から始めます。今日はなぜかシャッフル特集でした。


今回の放送曲目




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