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ブルーズ名盤百撰 No.9
今年78才になる"ヒューストン・ジャンプ"ブルーズの創始者、クラレンス"ゲイトマウス"ブラウンは「オレはブルーズだけをやっているのではなく"アメリカン・ミュージック"をやっているのだ」と言い放つように、ジャズ、カントリー、ケイジャンなどもプレイし、楽器もフィドル、マンドリンなども扱う多才なミュージシャンだ。しかし、彼の音楽的個性が見事に開花したのは50年代にピーコック・レコード に録音した"Okie Dokie Stomp" "She Walked Right In" "Rock My Blues Away"などの、強烈にスウィングするジャンプ・ブルーズの名曲によってだ。僕は(レッド・ライトニン)というブートレッグ・レーベルから出ていた"San Antonio Ballbuster"というアルバムでそれらの曲を聞いたが、現在それは(Drive)というレーベルからCDでリリースされている。 それから同じピーコック時代のシングルを集めたのが(Rounder)レーベルから"Original Peacock Recordings"。2枚に重複している曲もあるが互いに入っていない曲もあるというイライラさせられる2枚。それでどっちかということになり・・曲数が4曲多い"San Antonio Ballbuster"を選ぼうとしたのですが、両方とも輸入盤でどうも"San Antonio Ballbuster"は入手しにくいようなので、(Rounder)の"Original Peacock Recordings"にします。 (Alligator)( Verve)( Blue Thumb)などのレーベルに作品を残してきたゲイトですが、1997年に (Verve)から発表した"Gate Swings"などは年老いてもなお気迫を見せたいいアルバムでした。余裕があれば是非御一聴を!
ニューオリンズはかってフランス領だったためにフランス系の移民がたくさんおり、フランス料理もうまい。そして彼等の音楽を「ケイジャン・ミュージック」と呼んでいるが、そこにブルーズやR&Bのテイストを流し込んで作られたダンス・ミュージックが"ザディコ"(Zydeco)だ。アコーディオンが主となる楽器で、このザディコにおけるキングといまも呼ばれているのがクリフトン・シェニエだ。 残念ながら88年に彼は他界したが彼が残したアーシーで、パワフル、そして独特のグルーヴするリズムをもったザディコ・ミュージックは現在もニューオリンズのザディコ・ミュージシャンたちに受け継がれている。クリフトン・シェニエがスペシャルティ・レコードに残した名演が現在、日本のP-Vineレコードから発売されている。これを聴くとニューオリンズに行ってガンボなんぞ食べたくなる。
Carter Brothersが60年代にジュエル・レコードに残したシングルを集めたアルバム、"ザ・カーター・ブラザーズ"にはR&Bチャート21位まで上がった"Southern Country Boy"というヒット曲も入っているお薦めの1枚なのだが、果たしてジャケットを目にして何人の女性が買ってくれるだろうか・・。 安っぽいオルガンの前にカッパのようなヘアー・スタイルで微笑むジェリー・カーター、その左にフル・アコのエレキ・ギターを持ってやや斜に構えやニヤつくアルバート・カーター、そして右にベースを構え脂切った長い顔で、これまたニヤつく長身のリード・ヴォーカルとベースを担当するロマン・カーター。この3兄弟がカーター・ブラザーズだ。 ロマンの「何が歌唱法だ!何がヴォイス・トレーニングだ!」と言わんばかりの豪快で、ディープなブルーズ・シンギング!これが彼等の売り。一度聴いてもらえば好きになる人はたくさんいると思うがジャケットがなぁ・・・。ジャケットだけ見ると「ブルーズ界のぴんから兄弟」という言葉が出てしまうイケナイ私。来日時のステージも素晴らしかった。中身は保証します。 ☆アルバム百撰
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