| 熊野灘の分岐断層 |
2002年8月17日放送
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(妹尾):週間地震概況です。
(魚住):先週土曜日の午後からきょうの午前中までに起きた地震、気象庁のデータをもとにお伝えします。
11日(日)午前10時12分頃兵庫県南西部でマグニチュード2.8の地震があり、千種町(ちくさちょう)で震度1を観測しました。この地震は山崎断層の北10km、岡山県に近いところで起きました。通常は地震が少ないところです。
それから、奈良や和歌山で地震がおきていますので3つ続けてお伝えします。
11日(日)午後11時00分頃奈良県地方でマグニチュード4.3の地震があり、和歌山県の新宮市や奈良県の吉野町で震度2を観測しました。
それから、12日(月)午後10時37分頃和歌山県北部でマグニチュード4.0の地震があり、奈良県の桜井市や和歌山県の新宮市で震度2を観測しました。
また16日(金)午後3時16分頃奈良県地方でマグニチュード3.3の地震があり、下北山村(しもきたやまむら)で震度1を観測しています。
11日の地震は奈良県下北山村、12日の地震は和歌山県橋本市、そして16日の地震は紀伊半島の中央部の、深さ50kmから70kmの所で起きました。いずれも紀伊半島の下に沈み込んでいるフィリピン海プレートで起きた地震です。
全国では50回、からだに感じる地震がありました。
(妹尾):なんだか地震の回数がいつもより多いですね。
(魚住):はい、伊豆の八丈島で13日から群発地震が起きていまして、50回の内、30回は八丈島の地震です。
(妹尾):そういえば八丈島って火山島でしょ。噴火の恐れはないんですか?
(魚住):今のところ、震源の深さが10kmと、火山の地震にしては深いところで活動していること、それと火山性微動も観測されていないそうで、気象庁では「今のところ噴火には繋がらない」と見ているそうです。
(妹尾):ほっ。よかった。さて、魚住さん、紀伊半島沖の海底で新しい断層が見つかったんですって?昨日の新聞の朝刊に記事が載ってましたね。
(魚住):ええ。紀伊半島の南東沖で長さが100km以上もある新しい断層が見つかりました。確認したのは海洋科学技術センターなんですけれども、これは南海トラフの「分岐断層」って呼ばれるんです
(妹尾):「分岐」ですか。枝分かれした断層っていうことですか?
(魚住):ええ、そうです。断層が見つかったのは熊野灘のあたりで、ちょうど東南海(とうなんかい)地震の震源の場所なんです。で、その東南海地震と、それから南海地震、どちらもフィリピン海プレートと陸のユーラシアプレートの境目で起きます。今回見つかった断層は、その境目から、ユーラシアプレートの中に向かって枝分かれしているんです。
(妹尾):へえー。で、これはすごい発見なんですか?
(魚住):ここに断層があるっていうことは、実は海底の地形から分かっていました。でも、その断層が深いところで、プレートの境目に繋がっていることがわかったという点が「新しい発見」といえるんですって。
(妹尾):ほう、断層の立体的な構造がわかったわけですね。でもね、ちょっと心配になりませんか?プレートの境界と繋がっているっていうことは・・地震のときその断層もいっしょに動くってことですよね?!
(魚住):そうです。そこが大事なポイントです。
(妹尾):ということは、東南海地震の被害が大きくなるんじゃないですか?!
(魚住):うーん、心配ですよね。京大防災研の梅田教授にお聞きしました。そしたらね、揺れや津波は両方の断層から出る地震の波が足し算されて、複雑になりますし、さらに、断層の形から考えると少なくとも津波は大きくなることが心配されるんだそうです。
(妹尾):じゃあ、南海地震とか東南海(とうなんかい)地震に備える特別措置法ができたばかりですけど、防災計画なんかも変わってきませんか?
(魚住):そのとおりです。そこで、分岐断層も含めた、東南海地震の津波の計算をしなおす必要があるそうです。
(妹尾):うーん。ほんまに地震って複雑なんやねえ。
(魚住):以上、週間地震概況をお伝えしました。
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