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週間地震概況 地震の基礎知識 概況過去記事 トップへ戻る
 もっと大きな地震が来るかもしれない」。震災で多くの人が余震を恐れました。
しかし、本震よりも大きな余震はありません。 地震の活動期に入った今、防災意識とともに必要以上に不安にかられないための知識も必要です。 1998年10月にスタートした週間地震概況では、1週間に起きた地震を解説し、地震や災害の基礎知識を妹尾和夫と魚住由紀の会話で親しみや すく伝えています。(監修:京都大学防災研究所 梅田康弘教授)。

三宅島の火砕流
2000年9月2日放送
(妹尾):週間地震概況です。
(魚住):先週土曜日の午後からきょうの午前中までに起きた地震、気象庁のデータをもとにお伝えします。

8月27日(日)午後1時13分頃、奈良県地方で マグニチュード4.4の地震があり、大阪の太子町(たいしちょう)や奈良県の御所市(ごせし)などで震度4のゆれを観測しました。
この地震は、大阪府と奈良県の境、市でいいますと、羽曳野市と香芝市の中間あたりで起きました。近くには大和川断層があります。
ふだんはあまり地震の起きないところですが、今から64年前の1936年にマグニチュード6.4の「河内大和(かわちやまと)地震」が、この近くで起きて、9人が亡くなりました。
この余震が、同じ日の午後8時19分頃に起きています。
規模はマグニチュード3.4で、大阪の富田林市や奈良県の御所市(ごせし)で震度2でした。

全国では、123回、体に感じる地震がありました。
このうち、伊豆諸島での地震は110回です。

(妹尾):
さて、三宅島なんですが、住民の方は全員、島の外に避難するようにと指示が出ましたね。火砕流も起きていたということなんですが、三宅島の真下にあるマグマは活動がおさまってたんじゃなかったんですか?
この火砕流は、専門家は想定していなかったんですか?

(魚住):
今週は、東京大学地震研究所・火山噴火予知研究推進センターの鍵山恒臣(かぎやま・つねおみ)助教授にお聞きしました。
「火砕流」というと、雲仙・普賢岳でも起きましたね。あのときは温度が700度以上、流れる速さも時速100km以上でした。
ところが、今回三宅島で観測された火砕流はというと、温度は40度くらい、速さが時速15kmくらいでした。

(妹尾):
どうしてそんなに違いがあるんですか?

(魚住):
三宅島の火砕流は、高温のマグマが流れ出したというよりは、どうも噴煙の一部、つまり火山灰が流れ出したものらしいんです。
専門家の間でも「これを火砕流と呼んでいいのか」という議論があったそうなんですが、結局、火山噴火予知連絡会は「29日に弱い火砕流が起きた」ということと、「より強い火砕流が発生する恐れがある」ということを発表したんです。

(妹尾):
雲仙のときは、あの火砕流で亡くなられた方々がいましたね。とっても恐いものだなあと思いましたよ…。
低温で速度も遅いなら、どうして火砕流の恐れがあるって発表したんでしょうね?

(魚住):
鍵山さんは「たとえ温度が低くても、人が直接巻き込まれればヤケドをしたり、熱風を吸い込んで肺を傷つけてしまう危険性があるので、知らせる必要があったんです」と話していらっしゃいます。

(妹尾):
なるほど…。ところで、今回の三宅島のケースは雲仙や有珠山の噴火と比べて何か特別なんでしょうか?

(魚住):
これまでの火山噴火は、火山活動がその山だけに限られていました。
でも、今回の活動は、マグマと地震が連鎖反応を起こして、三宅島から神津島、さらに新島の北まで、距離にすると50km以上も拡大していきましたよね。そこが違うところです。

(妹尾):
そういう広い範囲で変動が起きている中で、たとえば三宅島の噴火活動だけを取り出して予測するっていうのは難しいんでしょうねえ。

(魚住):
ええ。今回、噴火予知連が「もっと強い火砕流が起きる恐れがある」と発表したのは、「安全と言い切れるような予測は今のところできません」という、専門家の正直な見解を発表したものだと言えるということです。

以上、週間地震概況でした。


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