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週間地震概況 地震の基礎知識 概況過去記事 トップへ戻る
 もっと大きな地震が来るかもしれない」。震災で多くの人が余震を恐れました。
しかし、本震よりも大きな余震はありません。 地震の活動期に入った今、防災意識とともに必要以上に不安にかられないための知識も必要です。 1998年10月にスタートした週間地震概況では、1週間に起きた地震を解説し、地震や災害の基礎知識を妹尾和夫と魚住由紀の会話で親しみや すく伝えています。(監修:京都大学防災研究所 梅田康弘教授)。

三宅島の火山活動
2000年7月1日放送
(妹尾):
 週間地震概況です。
(魚住):
 先週土曜日の午後からきょうの午前中までに起きた地震、気象庁のデータをもとにお伝えします。

今週は、三宅島で火山性の地震が起きていましたので、全国での地震回数がとても多かったんですが、それについてはのちほどお伝えします。

まずは、近畿周辺の地震です。
6月28日(水)午前0時44分頃、和歌山県北部でマグニチュード3.9の地震があり、和歌山県の下津町(しもつちょう)や野上町(のかみちょう)で震度1のゆれを観測しました。
この地震は、紀伊半島の下に沈み込んでいるフィリピン海プレートで起きたものです。

29日(木)午後11時18分頃、滋賀県北部でマグニチュード3.3の地震があり、滋賀県の西浅井町(にしあざいちょう)や岐阜県で震度1でした。
この地震は、琵琶湖の東を通る柳ヶ瀬(やながせ)断層の東で起きました。この近くでは、およそ90年前の1909年にマグニチュード6.8の姉川(あねがわ)地震が起きて、35人が亡くなりました。

さて、全国ですが、体に感じる地震は1857回ありました。
このうち三宅島と、同じ伊豆諸島の新島・神津島を震源とする地震は1838回、体に感じない地震を合わせると、なんと2万2352回でした。
これは、記録できた数だけですので、実際はもっと多いと思います。

そして、先ほども地震がありました。
午後4時12分頃、震源は新島・神津島近海で、震源の深さはおよそ10キロメートル、地震の規模=マグニチュードは6.1と推定されます。震度6弱が新島・神津島となっていまして、震度4が三宅島ですね。震度1まで見てみますと、大変広い範囲で揺れています。長野県や茨城県、新潟県、愛知県などでも震度1を観測しています。
三宅島では、6月26日の夕方から火山活動が活発になって、一時は2000人以上の方が避難しました。

そこで、きょうは火山噴火予知連絡会の伊豆部会・会長で、三宅島にくわしい、東京大学地震研究所 教授の 渡辺秀文(わたなべ・ひでふみ)さんに、電話でお聞きします。
渡辺さん、こんにちは。

(妹尾):
 三宅島では、避難からおよそ3日で避難が解除されましたね。
 火山噴火予知連絡会も「安全宣言と取ってもらってかまわない」というように避難を解除してもいい、という判断を出しました。
 この、安全宣言というか、避難解除を出すというのはすごいことですよね?

(渡辺):
 そうですね。これほど的確にマグマの動きを捉えて、できるだけ迅速に、役に立つ情報を出すという意味では、かなりうまくいったんではないかと思います。

(妹尾):
 三宅島の噴火に関しては20年周期でくるといわれてますが、地下のマグマの動きが、それだけしっかりと把握できていたということですね。

(渡辺):
 実は83年の前回の噴火のあと、三宅島が次の噴火にむけて準備をしつつあると、つまりマグマが蓄積するために山体が膨張しているということを私たちは90年以降つかまえていました。

(魚住):
 なにが膨張しているんですか?

(渡辺):
 三宅島の島全体が膨張、つまりふくらんでいるということですね。地下でマグマがたまるために。そういう、ふくらんでいるということをGPSとか、水準測量といいまして地面の高さを測る観測なんですが、そういう観測によって三宅島が膨らんでいるということを実際に捉えていたんですね。

(妹尾):
 で、マグマは海の方に逃げちゃったんですか?

(渡辺):
 そうです。で、過去数年間は特に三宅島が膨らんでいるということが分かりましたので、さらに地震とかGPSの観測網を強化して、連続的な観測をやっておりました。そのために、今回マグマの動きが迅速に的確に捉えることができた、ということなんです。

(妹尾):
 渡辺さんは、有珠山の調査をされていた時期もあったそうですが有珠山はまだまだ活動が続きそうですね。

(渡辺):
 地下から上昇してきたマグマの動きは次第におさまりつつあるんです。
 当初の数百分の一ぐらいの動きになっているんですが、マグマの熱はなかなか下がらないので、今起きていますような水蒸気爆発、これはマグマの熱によるものなんですが、この水蒸気爆発はしばらく続くんだと思います。

(妹尾):
 同じ火山の噴火でも三宅島と有珠山は質が全く違うっていうことなんですね。

(渡辺):
 いろんな原因があるんですが、ひとつはマグマ自体の性質ですね。
 粘性だとか、マグマの中に、噴火などを引き起こす源になっている火山性のガスを含んでいる量が有珠山の方が多いと。そういう違いがあります。

(妹尾):
 最後に、三宅島の方ではまだ地震が続いていますね。
 先ほどもありましたけれども、これは当分続いてやがて終息していくと見ていらっしゃいますか?

(渡辺):
 三宅島の西の方へ、マグマが割れ目を作って貫入したことによる地震そのものはかなり減っています。むしろ、そういうマグマの動きに誘発されたような地震が更に神津島に近いところで起こり始めて今回6.1まで起こったというわけで、三宅島の火山活動そのものによる地震とは思っていません。

(妹尾・魚住):
 わかりました。お忙しい中、どうもありがとうございました。

以上、週間地震概況でした。


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