電話:石川県珠洲市在住の大口史途歩さん

視覚に障がいがある人は、地震や津波からの避難に際し、どんな困難に遭遇するのでしょうか。
石川県珠洲市に住む大口史途歩(おおくち・しずほ)さん(52歳)は、視野が狭くなる「網膜色素変性症」のため、明暗が少しわかる程度で、人や物はほとんど見えません。昨年の能登半島地震では、母校である近所の小学校に避難しました。小学校の教室は隅々までマットレスが敷き詰められ、廊下にも荷物や道具がびっしり。白杖が使えず、壁伝いに歩こうにも誰かの体を踏んでしまう可能性があり、大口さんは移動さえ出来ませんでした。
何より困ったのはトイレです。トイレに入る場合、レバーや便座の位置を手で触って確認するのですが、避難所のトイレは大勢の人が使うために衛生状況が悪く、何度も他人の便に触れて大腸炎になってしまいました。普段はひとりでできることも家族や周囲の助けがなくてはできない状況で、大口さんは「迷惑をかけたくない」と考え、次第に食事や飲み物を我慢するようになったといいます。
視覚障がい者の避難生活には、どんなサポートや配慮が必要なのでしょうか。大口さんの体験から考えます。
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